境界の旅人 30 [境界の旅人]

第八章 父娘



「最近、ずいぶんと日が暮れるのが早くなったよねぇ」

 薄く日の名残りの残る窓の外を見て、美月がため息をついた。

「うーん。そりゃあ、ま、『秋の日はつるべ落とし』って昔から言うくらいだしね。でもさ、あたしは京都の夏の暑さがこたえていたから、むしろ涼しくなってくれてほっとしてる」

 お茶室の傍に設けられた水屋で、稽古で使った黒い楽茶碗を拭きながら由利は答えた。

「こないだ、炉開きもされたもんね。そっかぁ、もう十一月だもんね」
「うん」

 由利はことば少なに答えた。

「ね、あれからフランスのほうからは何か連絡があった?」
「ううん。何の音沙汰もなし」
「えっと、あの手紙を出したのはいつだっけ?」
「八月のお盆の頃かな。だから二か月半は丸々経ってる」

 顔色にこそ出していないが、由利ほどその手紙の返事が来るのを待ち望んでる人間はいないはずだ。気にならないはずがない。

「そっか・・・」

 美月は由利の恬淡とした表情から、かえって物事の深刻さを推し量った。

「でもさ、由利。もう少し待って何の反応も無かったらまた、次の案を考えようよ。何かいいこと思いつくかもしれないし」
「ありがとう。美月。気を遣ってくれて。だけどね『返事がない』ってことがひとつの立派な返事なんだよ。あの手紙は結局、あたしの父親にあたる人のところにたどり着けなかったか、あるいはたどり着いたとしても、当の本人が死んだか、それとも父親のくせにあたしやお母さんを捨てたことに一片の悔いもなければ、何の興味もない人間ってことなんだよ、きっと」

 由利のことばには、いつまで待っても名乗り出て来ない父親に対する恨みがこもっていた。

「由利・・・」
「ああ、もうこんな話よそうよ。気持ちが余計に暗くなっちゃう」

 由利の口調はサバサバしていたが、どこか表情が荒んでいた。



下足箱へ行って、由利が靴を履き替えるとつま先のほうに何かが入っているような違和感がある。脱いで調べると小さな紙きれが入っていた。さっと美月に悟られぬように文面に目を走らせると「いつものところで待ってる」とだけ記されていた。

 いつもならふたりで自転車を走らせながら北大路から堀川通りを抜けて南下して行く。だが由利は、自転車置き場のところで美月に言った。

「あっ、そうだ、美月。あたしうっかり忘れるところだったんだけどね、これからおじいちゃんの血圧の薬を取りに行かなきゃならなかったんだ。悪いんだけどあたし、道が反対方向だからここでバイバイしなくちゃ」

 由利がいかにも今思い出したように、もっともな口実を言った。それを聞いた美月は、目の端をきらりときらめかせながら口角を少し上げた。

 由利はさっと自転車にまたがると、そのまま行ってしまった。それを美月はじっと黙って見送ったあと、こっそりつぶやいた。

「由利…。女子校で鍛えられたあたしの目を欺けるとでも思ってんの? アイツはガチで肉食系だよ? 由利はただでさえ傷つきやすいのに…、痛い目に遭わなきゃいいけど」



 由利が向かったのは船岡山だった。船岡山公園のふもとで自転車を止めようとすると、先客はすでに来ているようで、黒くて大きな自転車が止められていた。それを見るやいなや由利は、急かされたように駆け足で頂上に続く階段を昇って行った。

 あらかじめ待ち合わせしていたのは昼間でもめったと人がこない場所で、その木立の影に潜ませるように相手は待っていた。

  由利は相手に、学校ではただのクラスメイトとしてしか自分に接してはいけないと固く約束させていた。まったく気のないそぶりをさせて、自分の席の脇や廊下をすれ違いざまに通り過ぎる相手の姿を見ているのが好きだったのだ。

「常磐井君!」
「由利!」

 ふたりはお互いの名前を呼びあったあとは、まるでN極とS極の磁石がくっつくように固く抱擁を交わした。

 常磐井の大きな温かい腕に抱きしめられながらキスされていると、まるで極上の真綿に包まれているかのような安心感がある。由利は緊張から解放されるこの一瞬がたまらなく好きだった。背の高さがコンプレックスである由利は常磐井が相手だと、幼い頃のように、素直に可愛い女の子に戻れるような気がする。今は目を閉じながら、自分を無条件にこうして受け入れ、抱きしめてくれる相手がもたらす陶酔感にうっとりと浸っていた。

 驚くほど長いキスのあと、やっとふたりは顔を離して会話した。

「ねぇ、オレって、いつまで他人のフリしてなきゃなんないの?」

 常磐井は不満げに漏らした。

「いつまでって、いつまでもよ」
「なんで?」
「なんでって、理由はないけど・・・。それにあたし、こんなふうに優しい顔もいいんだけど、学校では口許をきりっと引き締めている常磐井君を見ているほうが好きかも・・・。いわゆるギャップ萌えってヤツかな」

 由利はふふっと笑ったあと常磐井の胸に顔を埋めた。こんな態度に出られると常磐井は強く出ることができない。ちょっと困ったように由利の背中に手を当てた。

「こんなふうにデレデレしているところ、他の人には見られたくないの。誰にも知られていない秘密って甘美で、より恋に熱中できる気がする」
「それってさぁ、前世からのサガ?」
「まぁ、たしかに女御さまと中将は世を忍ぶ恋をしていたよね」
「由利・・・。ねぇ、いつまでこんなふうにキスだけなんだよ?」

 焦れに焦れたあげく、とうとうしびれを切らしたように常磐井は迫って来た。

「常磐井君、それは前にも何回も言ったよね。あたしは今のままの、この状態が好きなの」
「え、オレは嫌だ! 由利が好きだから、もっと触れていたい!」

「それは・・・常磐井君が男だから言えるセリフなんじゃない? 女は元には戻れないのよ」

「一度男を知ったら、元に戻れないってこと? もしかしてそれは遡逆性ってことを言ってるのか?」
「まぁ、それもあるけど・・・。あたしたち、まだたった十六歳の高校一年生なんだよ。行きつくところまで言ったからって、それでどうなるもんでもないじゃない?」
「由利・・・・・・。恋なんて、どうなる、こうなるって、理屈が先に来るもんじゃないっしょ。好きだからじゃ理由にならないの?」

常磐井は真顔で由利に懇願した。

「ねぇ、男の人ってとかく忘れがちなんだと思うけど、女の側にはこういう快楽には必ず妊娠っていう危険をはらんでいるんだよ」
「妊娠なんてそんなこと・・・絶対に由利にはさせないよ」

 常磐井のささやく声には幾分かいらだちが含まれていた。

「常磐井君・・・。こういうことにはね、絶対なんてこと、ありえないと思うの。そうすることは、まだお金も儲けたことのない子供のあたしたちがやることじゃないと思ってる。おのれの分をわきまえていないっていうか、不遜っていうか」
「そんなの、いつの時代でも、やってるヤツはもっと早くにでもやってるさ。不遜だの分不相応だのって、そんな理屈っぽいこと考えてるもんか」

常磐井は鼻白んだように言い放った。

「それにね、常磐井君にとって先に進むことは大事なのかもしれないけど、今のあたしには必要じゃないの。どうして恋愛のプロセスのひとつひとつを大事にしないで、先をそんなに急くのよ? あたしはね、常磐井君、いい? したくないのよ!」

由利は嫌悪の情も露わにして、常磐井を拒んだ。

「でもさ、少なくともキスはいいと思ってるんでしょ?」
「え、うん。まあね」
「じゃあ、きっとその先もいいよ」

 そうやって常磐井はもう一度由利を強く抱きしめ、気を引こうとした。だが由利は、そんな姑息な手を使った相手をぴしゃっと遮った。

「ねぇ、こんなにしつこいんなら、あたしもう帰る。あなたとは金輪際こういうことしない!」

 由利はさっさと元来た階段に通じる道へ戻ろうとした。

「ま、待てよ! せっかくやっとふたりきりになれたのに! 顔に似合わず気が短いんだからな、由利は」
「ねぇ、常磐井君って自分の将来はどう考えているの?」

 突然、由利はくるりと踵を返すと、まったく関係のなさそうな質問をした。

「オレの将来? そうだなぁ、まあ、どっか今の自分の成績に見合うような大学へ入って、やっぱ部活は武道系をやって、将来はオヤジの跡をついで道場を経営していくと思うけど?」

 戸惑ってはいたが、常磐井は誠実に答えた。

「ね? 常磐井君の中には、そんな明確な将来のビジョンがある。だけどその中にあたしはどう関わっていけるのかな? それを考えたことある?」
「えっ? 愛し合っててオレと一緒になって、オレの子供産んで・・・。道場主の妻として母として生きていくんじゃダメなの?」

 由利は呆れたようにじっと常磐井を見つめた。

「それってさ、要するに常磐井悠季の『妻』としての人生であって、小野由利としての人生っていう意味を為さないような気がするんだけど?」
「えっ? それ、どういう意味?」
「だからさ、極論を言うようだけど、あなたは道場主の妻なってくれるのなら、あたし以外の誰でも構わないんじゃない? たとえばさ、常磐井君のことが未だに大好きな田中春奈なら、きっとふたつ返事で妻になってくれるよ。それのどこにあたしの存在意義があるの?」
「えーっ。そんなぁ。オレにだって選ぶ権利っていうのがあるだろ? なってくれるなら誰でもいいなんてはずないじゃないか! 内助の功っていうのも、めっちゃくちゃ大事なことだと思うけど。愛を仲立ちにして、一生懸命夫婦して道場を切り盛りするっていうのはダメなわけ、由利にとっては?」
「まあね、だって道場をどうこうするのはあなたの夢であって、あたしの夢じゃないもん。まぁあたしも武道に精進しているのなら、まぁそれもあり得るかもしれないけどさ」
「じゃあ由利にも教えてあげるよ。今からなら十分に上達できるさ」

 常磐井は機嫌を損ねた由利を必死になってとりなした。

「人に言われてやるのは嫌なの! 自分が心の底からそう思えるんじゃなきゃ!」

 そのことばに常磐井はちょっとむっとしたようだった。

「じゃあ、由利の夢とか、やりたいことって何なんだよ? それをオレにまず教えてくれよ」
「あたしのやりたいこと・・・。そうね。今は茶道をやっているけど。でもそれが生きがいってところまでには行ってないかな? だからやりたいことはまだ見つかっていない・・・」
「それじゃ、オレの夢を一緒に叶えるっていうのの、どこがいけないわけ?」

由利は身体に巻き付いていた常磐井の腕を振りほどいた。

「ねぇ、常磐井君。あなたは前世のあたしたちがあの女御と中将という恋人同士だったと信じている。でも女御は帝の妃でしょ? おそらくふたりは前世では夫婦になれなかったんだよね。だから常磐井君は今生でこそ、女御の生まれ変わりのあたしと添い遂げるために生まれてきたんだと思ってるんでしょ? 出逢いは必然だったんだって」
「うん。そう思ってるよ。由利に出会ったことは奇跡だよ」
「だけどあたしは、あなたが信じているその『ミラクル・ロマンス』なんてもの、端から信じちゃいないのよ。あたしは結局、そういうことはどうでもいいの。今あるのは現実だけ。選択肢は星の数ほど広がっているの! あたしたちは自分の持って生まれてきた能力や努力のいかんで、その中から可能な限り最良のものを選択することができる! もしあたしたちが今結ばれたとしても、結婚なんてずっと先のことじゃない? その間にあなたやあたしが心変わりをしないって保障がどこにある? あたしはいったん、あなたとそういう関係を結んでから別れるのは嫌だ!」
「オレたちに限って、そんなこと絶対にあるはずないっ! 少なくともオレはそんなことには絶対にならない、絶対にだ!」

 若者らしい潔癖さを持ち合わせている常磐井は、怒気をはらんで言い切った。

「由利、おまえは今のこのオレの金無垢のように混じりけのない愛を、将来性とか保障と言う損得ずくの秤にかけて貶めようっていうのか? オレは由利を相対的に愛するなんてこと、これまで一度だって考えたことがない! どんなことがあっても由利に対するこの愛は変わらない! 絶対だ。由利が今考えてることこそ、そろばんづくで卑しいって思わないのか?」

 常磐井になじられると、由利の頬は平手を受けたように紅潮した。

「何よっ! もう、放して! 常磐井君はあたしの気持ちなんて、解りっこなんかないんだから!」
「由利! 由利! 待てってば!」

 由利は一度も振り返らず、一目散に坂を駆け下りて行った。






~~~~~~~~~~~~~~~

やっと季節的に追いつきました…。
由利と常盤井って仲がいいのか悪いのかわからないですねぇ。

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おかもん

こんばんは。
どうして男ってヤツは…!と思いました(´-ω-`) まぁ御年頃+前世の記憶+激しい思い込みがあるからなのかもしれませんが、イヤだわイヤだわ!と思いながら読みました(笑)
次回はどうなっているのかな? 遅くなってもフランスから返事は来るのかな? もどかしいですがまた1週間お待ちしています!
by おかもん (2019-11-09 21:23) 

Yui

はああああ、やっと追いつきました。高校生ってそれはそれなりにたいへんですねえ。由利はやはり父親のことがはっきりしないとその先に進めないのかな。父親は身重の母親を何かの形で見捨てたのですものね。不可抗力だったかもしれないですが。親の愛情の形は常になんらかの形で影響すると思うので由利にとって父母円満な家庭でなかったのはなんらかの影響があると思います。前世が全てじゃないですしね。恋愛って難しいな。次の展開をお待ちしています。
by Yui (2019-11-09 23:28) 

sadafusa

おかもんさん

いつもいつもコメントありがとうございます。
とても励まされています。本当に感謝しています。

さて、ねぇ~、どうして男ってヤツは!ですよね。
特に文中の
「愛し合っててオレと一緒になって、オレの子供産んで・・・。道場主の妻として母として生きていくんじゃダメなの?」
ってセリフ、萎えますねぇ。

常盤井君って、容姿端麗で、眉目秀麗で、頭脳明晰なんです。
で、結婚したら「由利の旦那サマ素敵な人ねぇ~」ってうらやましがられるような人に違いないとは思うんですよね。

絶対に妻には誠実だし、浮気も絶対にしないと思う。それでいて、男らしくて勇気もある人だとは思うのよねぇ。

だけどさ、さっきもいいましたように、あのセリフでしょ?
この人、恋とはなんたるかってこと、全然わかってないと思うんだよね。こういうデリカシーのないところが、ちょっと常盤井、嫌いだよって思ってしまうのね。
健全すぎるっていうか、やましいところがなさすぎるっていうか、

もう少し、由利の揺れる心っていうのをホールドしてやってほしいなぁって思うけど、まだ16歳の常盤井にはちょっと無理なんだよね。

常盤井って、結構封建的な家に育ったと思うのね。
それに養子に行ってるじゃない?

おじさんはお母さんの弟なわけよ。それが戸籍上の父になってるっていうかね。

彼はさ、道場を継いでくれる男の子が欲しいって乞われて、おじさんの籍に入ったんだろうけど、おそろく、潜在意識の奥の奥では、葛藤があったはずなのよね。
だけど、そういう自分の本当の望みはなんだろうと探ることをしてないのよね。

だけど、今回、由利にこんなふうに言われて、自分ってものを見つめ直さざるを得ないんだよね。

ミラクル・ロマンスを頭から信じるのもいいけど、そして運命だからってそれを丸のみこみしてしまうのはどうなのかなって思うんですよね。
by sadafusa (2019-11-10 10:19) 

sadafusa

Yuiさま~

コメント嬉しいです。おかもんさんは常盤井サイドから書いてくれました。Yuiさまは由利サイドから書き込んでくださっています。
それもうれしいのね。

ご指摘くださったように、この恋愛は、これまでの由利の生き方とかトラウマが反映されています。

由利にとって常盤井は、いいことにつけ、悪いことに着け、父親の不在っていうものを反映されているんだよね。

父親に対するあこがれっていうのもあるのよね、大きな身体にだっこされたかったとか。それと反対に、男に対する恐れっていうのもある。なんで母親と自分を捨てたのか、やはりそれに対する恐怖っていうのは相当なものなので、完全に心は常盤井に対して開けないの。

大きな身体にぐっと包まれて身体的な愛を感じていたいっていうのは強烈な渇望としてあるだろうから、常盤井に抱きしめられて、キスするまでは許せるんだろうけど、そこから先はやっぱり父親のことがあるからそれがストッパーになっているよね。

あと、文学賞に提出したものには書いて、こっちには書かなかったんだけど、由利は自分には「恋愛にどっぷり漬かってしまって、一度それに漬かってしまったら、後のことはなにも見えなくなってしまうタイプなんじゃないか」って恐れているの。
一度、常盤井と関係を持ってしまうと、テストとか大学受験とか、将来のことなんかどうでもよくなってしまって、高校を出たらすぐに常盤井と結婚して、すぐに子供を産んでしまうんじゃないかって思っているわけよ。

でも、常盤井って優秀で男らしい人間だから、そういう女おんなした由利をしっかり守ってくれるだろうとも予測しているのね。

だけど、そうやって男に甘え切って頼り切ってしまって、自分で一切判断をしなくなったら、一個の人間として尊厳はどこへ行ってしまうだろうと思うのよ。

常盤井は今は熱烈に自分を愛してくれているけど、常盤井のほうは、恋愛は恋愛として続けながら、勉強したり、鍛錬したり、一度にいろんなことをこなしていけるだけのキャパシティがあるから、いつのまにか二人の間には越えがたいほどの実力の差ってものが生じていくはずなのよね。

そうして気が付いた時には、夫の愛は遠く離れて行ってしまって、きっと将来二人の間に横たわっているのは倦怠と愛隣にちがいないって由利が考えるのね…。

恋愛も結婚も続けていくのは難しいのです。

by sadafusa (2019-11-10 10:35) 

Yui

やー、sadafusaさま。いっぱい作者の方にコメント頂いて、こちらこそ嬉しゅうございまする〜〜。由利ちゃんと常磐井くんは今時の日本のカップルだものね。こういう男と女の悩みに突き当たるのも当然という気がするわ。15、16で嫁に行けと言われるよりいいと思うけど、その分将来の夢や主体的に生きることの重要性も問題になるわねー。
子どもができると働けないという意味で、乳母や家事をする人を存分に雇えるような環境は、中世や近世より逆に今の日本では難しいかもしれない。由利ちゃんは母子家庭だからそういうとこをよく知っているよね。反面、常磐井くんは養子に出ているくらいだから父系社会にどっぷり浸かっているよね。

昨日、面白い記事を読みました。世界最後の母系社会のモソ族の話です。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6342080
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/1342/

元はナショジオの記事らしいんですけど、これって日本の平安時代はすごくこういう影響受けているんじゃない?元々日本の民族のある部分はこの民族の末裔なのかも。こういう社会に由利ちゃんが生きていたら、なんら問題なく、常磐井くんと付き合っていたかもしれないです。

by Yui (2019-11-11 09:08) 

sadafusa

Yuiさま

お返事ありがとう~。嬉しいです~~。

モソ族の記事、非常に興味深く拝読しました。
民族衣装が非常に美しいですねぇ。

>元々日本の民族のある部分はこの民族の末裔なのかも
ああ、それってそうなのかもしれないです。
昔なんかの本で読んだんだと思うけど、『かぐや姫』の話あるじゃないですか?
あれって、日本だけの話じゃなくて、南アジア、それも竹の生えてる地域に伝わる話なのだそうです。

十代っていうのは、一番性欲が強くて、身体も強くて、繁殖しやすい時期なのかもしれないなって思うんですよね。

でも精神的には、まだ成熟していないから、親になりきれいない部分がある。だけど、どこかの部族では親は子供を産みっぱなしにして、ジジババが孫を育てるっていう習俗があるってのを読んで、「なるほど、これは案外理にかなった習俗であるかもな」と感心したことがあります。

この小説のテーマはね、Yuiさまがおっしゃる通り、
主体的に生きることの重要性ですよ!!


というのも、この小説を書く前に、娘とか、娘の友達を観察していて、今の世の中、私たちの頃と違って、確実に生きやすくなっているって思うのよね。同調圧力が昔と全然違うの。

ほら、あたしたちの頃って、おんなじきょうだいでも、男の子ばっかり優遇されたりしてませんでしたか?

おにいさんや弟は、自分より多少できないけど、それでも勉強できなかったら塾へ行ったり家庭教師つけてもらったりして、大学までいかせてもらえるけど、女の子だったら「アンタは女なんだから、高校までで結構」って言われる時代だったし、25過ぎて、家にいたら「家の恥だから、お願いだから今年までにはお見合いキメてね」って母親に涙ながらに口説かれるような環境だったの。


だけど、今は男女差はあるにしろ、昔ほどじゃないじゃない?
結婚だって、してもしなくてもいいでしょう?

だけど、こんなに自由になったのに、娘や娘の友達を見ているとみんなしんどそうにしている。
たいていみんな25過ぎたあたりで、「あ~、しんどい。早く専業主婦になりた~い」とか言い出して、仕事もなんもかんもほっぽり出して、できちゃった婚に走る人のなんと多いことか。

でもね、それを見ていて「ちょっと待て!」って思うのよ。
今は、昔みたいに離婚のハードルは高くない。
嫌になったらすぐ離婚できる。
そうすると、だいたい親権は母親のほうへいくじゃないですか?

するとですね、何の資格もない女が子供を抱えて、稼いだとしても
せいぜい月収15万どまりなんだよね。

そんな家庭では、子供は大学なんか無理でしょう?

だから、もうちょっと仕事するにしても、結婚するにしても、
そんなにイージーに決めていいんですか?って思うの。

それでいて、みんな妙に認証欲求が強いから、
底の浅いモテ本を読み漁っている。

それじゃいけないでしょ?って思ったのがこのお話を書こうって思ったきっかけかなぁ。

人間、持って生まれてきた容姿とか才能はそれぞれだけど、その手持ちのカードでいかにして、自分の人生を明るくカラフルなものに、変えていくかというのは、どの人にも共通するテーマなんじゃないかなって思うんです。


長くなってすみません。
by sadafusa (2019-11-11 14:08) 

Yui

なるほど、sadafusaさまはお嬢様がいらっしゃるので今時の女の子の気持ちがリアルにわかるのですね。そうですねえ、私は教える仕事をかれこれ30年くらいやっているけど昔も今も女の子の生きづらさは変わってないですよ。男女にかかわらずですけど、日本の仕事ってね。経歴がものをいうから、中途で就職するのは不利だし、月収(手取りね)15万というのはいいとこだと思う。今は企業に就職しても給与が年々上がっていく時代じゃないから、今の若者は若いうちから投資とかしてますよ。
一方で専業主婦の価値ですが、今、一人の0から1歳児を24時間施設で育てているとすると、保育士さん、栄養士さん、調理師さん、掃除洗濯をする人、その他の値段を東京都の最低賃金で計算すると1ヶ月40万くらいかかるんです。お母さんの値段、40万(まあ0、1児限定ですが)。

お母さんの無償労働の上にこの国の経済は成り立ってきたんですな。
私なんかは育休が取れず、時短で乗り切ったのでシッターさんのお世話になりまくり。玲子さんはきっと苦労されたと思います。

主体的に生きながら夫にも子どもにも恵まれるというのはホント難しいです。しかもsadafusaさまは対等に恋愛関係も男とやっていこうとしているんですよね。それっていつの時代も場所も古今東西、難しい課題だと思いますよ。



by Yui (2019-11-11 21:13) 

sadafusa

Yuiさま

おはようございます~。
またまたコメントいただきました。ありがとうございます。

そうそう、私書き方が悪かったんですね。
女性の選択肢は昔より広がったけど、依然として、女性は生きづらいんですね。

専業主婦は死ぬまで専業主婦でい続けられたら、それはそれで経済的に安泰かなって思います。
昔の女大学って本に「子供の時は、親に従い、嫁しては夫に従い、置いては息子に従え」っていうのがあったじゃないですか?

あれは、男が養ってくれるから、黙っておれってことなんじゃないかなって思うんですよね。

経済力のない女は弱いですよ。それは自分が身にしみて実感していることです。

話はまるっと変わりますが、アラブに住む奥さんが旦那さんに死なれたとたん、女には働く道が閉ざされているため、道で物乞いをするしかないっていうのをなんかで読んだ時、「なんて切ない…」って思ったものです。

~~~~

いくら、家庭がお母さんの無償労働によって成り立っていると言っても、いなくなりゃいなくなったでなんとか回っていくのが家庭だったりするし。いわば、主婦の掃除とか洗濯っていうのは、付加価値なのかなって思ったりします。

そう、赤ちゃんのときがものすごく大変なのね。
玲子さんを描くとき、やっぱりYuiさまみたいに、キャリアウーマンの方と何人か話したけど、
「子供が小さい頃は、本当に働いたお金が右から左へと流れて行って、おまけに貯金を切り崩すこともあって、なんでこんなにしんどい思いをしてまで働いているんだろうって思った」
って皆さん口をそろえておっしゃっていましたね。

でも、私自身の考えでは、やはり赤ちゃんもいずれは大きくなるものだし、生まれて小学校に上がるまでは歯を食いしばって頑張ってほしいなぁって思うのよね。

ただ、国はそういうお母さんの犠牲にばっか、頼ってないで、やっぱりきちんと法を施政しなきゃいけないと思うんですよ。

生まれて、半年、あるいは1年はきちんと母親を休ませるととか、そうできない場合は職場に保育園作るとか、なんとか。

そうじゃなきゃ、とてもじゃないけど、子供を産むなんて勇気はわいてこないでしょ。

難しいことだとはわかっているんです。


最近、お金の一定以上稼いでいる男女が結婚すると、不幸になるというデータがあるそうですね。
わたし、それ、当然と思うんですよ。

仕事している人は男女を問わず、自分ひとりの時間を大事にしている。自分のペースで生きているんですよ。
それなのに、結婚したとたん、相手のペースにあわせなきゃならなくなるなんてしんどいに決まっている。

今の世の中、二極化してますね。
いろんな選択肢はあるけど、常に学んで、リスキーな選択をしないと、大きな報酬ってもらえないんですよ。

本当に主体的に生きるって難しいです。
死ぬまで、悩んで考えているんじゃないかな?

でも、やはり夫婦でい続けるためには、どっちも常に
同等の価値観を養っておくべきなんでしょうねぇ。

とはいえ、この小説は、わたしなりにひとつの答えが
用意されてあるのです。




by sadafusa (2019-11-12 09:43) 

Yui

sadafusaさま
この小説にはなんらかの答えが用意されていらっしゃるんですね。わ~楽しみです。
人間って女に生まれようが、男に生まれようが、働いていても、働いてなくても、誰かのために何かやっても、自分のためにだけ何かしても、悩みがつきないですよねえええ。確かに、子どもが小学生3年生くらいになると買い物とかお風呂洗いをお小遣いあげることでやってくれて、「これは!戦力になる!!」と思ったことがありました。その辺かな、少しずつ子どもは大人になるんですね。

今、まだ職場にいて、学生の実験に付き合ってて帰れなくて、、、です。まあ、子どもも鍵っ子でも家にいてくれるから助かります。今日は夫が7時帰りでたぶん一緒にお弁当やさんにお弁当を買いに行くんでしょう。11月ともなると日が短くなっちゃって夜があっという間です。


私はそれでも3,4年くらい専業主婦をしていた時代があるんですよ。正確には非常勤講師時代、税制上の専業主婦というだけのことですが。それはそれなりに不満も良い点もいろいろありました。確かにねー、自分の収入がない時代には戻りたくないです。夫からもらうお金って遠慮しなが使ってました。時間が融通がきくかというと下っ端の非常勤助手なんて教授より忙しいし、賃金は10分の1、5分の1だわ。その点では今の方がいいです。だけど、自分のために使う時間は減りましたね。

sadafusaさまは子どもを育て上げなさって、今が一番、自由が利くときですよ。もし、一人で職についていて家族がなかったら、経済的には豊かでもそれはそれで寂しい。


by Yui (2019-11-13 18:05) 

sadafusa

Yuiさま

唐突なんですけどね、今、株の投資スクールに通っているんです。すると、これまで全く気にもかけてこなかった社会の局面が現れて、非常に面白いなって思いますね。

最近受けた授業で、先生が、「出産って出来事は、約3000万円の引当金みたいなものですね。子供が生まれたときにすでに、3000万の負債があって、それを返していくと思ったほうが、人生を達観してみられます」っておっしゃっていて「なるほどぉ」って思いました。

そうなんですよ。うちは子どもがふたりいますから、単純計算して、六千万の借金があったってことですわw

子供が生まれちゃうと、きちんと育てるってことのみに焦点があたっちゃって、自分のことなんか二の次、三の次だったんですよねぇ。

今にして思うと、なんかず~っとず~っと社会通念にがんじがらめにされて自分のやりたいことなんかできなかったなぁって思うのよね。
(だから、今、株を勉強してるんだけど)

そうねぇ、今、一番なぐさめになっているのは、なんといっても娘です。娘がいなかったら、そもそもこの小説はできてなかっただろうし。

そう思うと、かまうのが自分だけで完結してしまうのは、寂しいね。

だから、やはり、男か女か、
とか専業主婦か、仕事か、

とかそういう二者択一じゃなくて、
ふたつとも、上手に回っていくのが、一番理想ですよね。




by sadafusa (2019-11-13 21:06) 

Yui

おお、株ですか。株は夫はやっているのですが、私はわかんにゃい。つうか、夫婦二人で株をやったら終わりのような気がしてやってないです。でも、関心はありますよ。sadafusaさまは才があるからなさったらいいと思います。子どもは一人3000万ですか。それはわかるなあ。実感として。もうsadafusaさまは十分に負債が終わったんじゃないかしら。これからですね。

株というのは好きなことはやらない方がいいのですか?わたしなんかはど素人なのでsadafusaさまは服飾関係の銘柄を行えばまさに!と思うのですが、どうなんでしょう?
by Yui (2019-11-14 12:06) 

sadafusa

私は、死ぬまでになるべく経験値を高めるほうが人生面白いだろうと思っているんですよね。

っていうかさ、旦那さんがやってくださっているんなら、いいじゃないですかぁ。私と娘が「夫はあてになんないから、女で頑張ろう」って一緒に学校通っているんですけどね。株って、一緒に勉強する仲間がいると心強いです。

う~ん、株って好きな企業だから株を買うんじゃないんですよ。これから株価が上がっていきそうな銘柄を選んで、ここぞっていうときに買って、売るんです(笑)

株って自分の見たてが的中して儲かるとすごく癒されるもんで、「これからももっと頑張ろう!」って思えるもんだけど、失敗して損切しなければならないときはみじめです。


株は男性よりも女性のほうが向いているそうですよ。Yuiさまも、旦那様と一緒にやってごらんになっては?
株って普通は100株単位で買わなきゃならないもんですが、ミニ株だと1株からでも買えるので、昔から比べたら、かなりお手軽な感じですよ。
by sadafusa (2019-11-14 14:20) 

Yui

株ですか〜、3億くらいあってもう仕事なんかしなくてすむーーっくらいならばやるのですが。
私は好きなことに注ぎ込んでしまって大損するタイプだと思います。
あ、株持ってますわ。仕事した会社があって謝金をもらったので、それをそのままその会社の株にしてしまったんでした。あとは親族の会社の株主になっているのかな?こちらの方は親がやったのでよくわからないです。
sadafusaさまはお嬢様と一緒に学校に通っているのですね。やー、そういう学校で教えていたり事務をしたりしているのが実は1番おいしいのではないでしょうか。
by Yui (2019-11-15 15:02) 

sadafusa

三億あったらねぇ、毎日、悠々自適でなんの憂いもなさそうでいいですよねぇ。

そういう境遇に生まれたかった、ぐすん。
いや、今の身の上のほうが、スリリングで楽しいのだろうか?

よくわかりません…汗


by sadafusa (2019-11-15 17:10) 

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