アラブ女子の生態 『サトコとナダ』 [読書・映画感想]
今、うちの娘のところにトルコから男の子が遊びに来ています。
なんと知り合ったきっかけはSNSなんですよね。
今年の1月ぐらいに、知り合ったのですが、
うちの娘がなんでそんな見ず知らずの外国人男性を受け入れるようになったかと言うと
画家なので、絵を売るためには、ある程度知名度を必要とされるものらしいのですね。
それで、今はやめましたが一時期、誰でも無差別に承認していたらしいです。
その中のひとりだったのがトルコ人の彼です。
初めはただのひやかしなのかなと思ったのだそうですが、
彼はトルコの片田舎に住んでいて、日本語学校はおろか
周りに日本人がひとりもいないところで
一人で日本語を独学で学び、
今は、あるところへ面接のために来日したのでした。
発音なんかも非常に違和感なく、外国人独特の変なイントネーションもなく
立派なものだなと思います。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
まぁ、上記のような理由で最近、わたくしも
世界で一番人口が多い、ムスリム(ムスリマ)世界はどうなっているのか
知りたいと思うようになったのですね。
そんなとき、あるツィートを読んでいて知ったのがこの本。
『サトコとナダ』
漫画の形態はストーリーがずっと流れているのでなく、
エピソードをつづった四コマ漫画なので、
結構ゆるゆると楽しく読むことができました。
イスラム世界というととかくわたしたち日本人は「怖い、厳しい」と思うものですが、
本当に戒律に従って生活しなければならないのは、
いわゆる「アラビアの方たち」なのだそうで、件のトルコ青年なんかは
毎日、きっちりきっちり一日五回お祈りなんかしないらしいし(それでも夜寝る前にはするらしい)
食べ物もアラビアほどには、うるさく言われないらしい。
服も日本人と全く変わらないごく普通の恰好です。
というように、一口にイスラム世界といっても
地域によりいろいろだということです。
日本だって、仏教の国のカテゴリには一応入っているかもしれないけど
上座部仏教の人たちと比べてみると、「同じ仏教徒です」って言えないと思うほど
かけ離れているものでしょ?
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
さて、本題。
サトコとナダは、アメリカに留学した者同士なのです。
ナダが一緒に住んでくれるルームメイトを探していたのですが、
案の定、ナダが黒いのをすっぽりかぶったイスラム女性だと知ると、
誰も一緒に住もう!と言ってくれる人がいなくて
困っていたんですね。
そこへ来たのが、日本人のサトコ。
サトコもはじめ、目だけを露出して、あとはすっぽり黒い覆いで包まれているナダを見て
一瞬たじろぎましたが、
「でも、これが国の外へ出るってことなんじゃないかな」と思い、一緒に住むようになるのですね。
男性がいる家の外に出る時は、黒い覆いをかぶらなければならないナダですが、
サトコとふたりっきりのときは、おしゃれが大好きで流行のものにとても敏感な
普通の感覚の女の子に戻っています。
イスラム世界では、肌や顔を露出させてはいけないというきまりがあるので、
ナダたちはその教えに従っているのですね。
それに対してどう思っているのかとサトコがナダに訊くと
意外な答えが返ってくるのですね。
というのも「こうやって顔の美醜を隠しているお蔭で、不美人だからという差別を
男の人から受けることはない」とのこと。
なるほどなぁ~と思いました。
あと、一夫多妻制の制度のこと、
女性の在り方のことなど、
いろいろと出てきます。
サウジアラビアは、女子の教育はありますが、
学校に「体育」の時間がなく、
ナダは身体を動かすことを怖がります。
身体を動かす快感というものは、男女限らずあると思うので、
それは惜しいことだなと思うのです。
あと、アラブの男女の結婚というのは、
たいてい父親と当事者の男兄弟が決めるものなのだそうです。
アラブは男女交際というものは基本的になくて、
いきなり結婚式から始まることが多いらしい。
ただ、じゃあ、それで夫婦仲が悪いのかというと
案外擦れてない分、「これが宿命」と思っている人も多いせいか、
結婚してから、恋愛をしている夫婦も多く、結構仲睦まじいカップルは多いと聞きます。
それは、父親と兄弟が一生懸命、娘、あるいは妹に出来る限り、
見目好く、お金持ちで、性格もよい男性を探すからだと思います。
選択の中に限りなく肉親の情愛があって、なされるものなのだろうと思いますが、
やはり、人って付き合ってみないとわからないところもあるので、
場合によっては、「不幸な結婚」「DVの旦那」ということもあります。
でも、イスラム教ってカトリックみたいに一生結婚を強いることもないらしく、
離婚はできるのだそうです。
まぁ、こういう恋愛観を持っていた、ナダですが、
やはりというか、お父さんとお兄さんが、
まったく見ず知らずの男性と結婚を決めてしまったとき、
非常に立腹するんですね。
「結局、わたしは売られていくのね」
まぁ、昔女は家畜とおんなじ扱いというか、「財産」だったんですよね。
女は持参金をつけて嫁にも行くけど、男側のほうだって、嫁の家のほうに
結納金を払わなくちゃいけない。
つまり、貧乏な男は結婚できないってこともあるんじゃないかな。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
アラブ社会は、つい最近まで女性に参政権がなく、
自動車を運転することも禁止。
つまりは男性が庇護しなければならない存在だったのですね。
まぁ、そういう意味で夫に非常に大事にされている女性も多いのですが、
反対に、夫に死なれて、職もなく、道端で物乞いをするしか生きる道がないというのも
アラブ世界の一面であったりするのですよね。
だから、こうすればいい、という提言は作品の中で一切されていません。
日本人はただ、事実をありのままにみている観察者なのです。
なんと知り合ったきっかけはSNSなんですよね。
今年の1月ぐらいに、知り合ったのですが、
うちの娘がなんでそんな見ず知らずの外国人男性を受け入れるようになったかと言うと
画家なので、絵を売るためには、ある程度知名度を必要とされるものらしいのですね。
それで、今はやめましたが一時期、誰でも無差別に承認していたらしいです。
その中のひとりだったのがトルコ人の彼です。
初めはただのひやかしなのかなと思ったのだそうですが、
彼はトルコの片田舎に住んでいて、日本語学校はおろか
周りに日本人がひとりもいないところで
一人で日本語を独学で学び、
今は、あるところへ面接のために来日したのでした。
発音なんかも非常に違和感なく、外国人独特の変なイントネーションもなく
立派なものだなと思います。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
まぁ、上記のような理由で最近、わたくしも
世界で一番人口が多い、ムスリム(ムスリマ)世界はどうなっているのか
知りたいと思うようになったのですね。
そんなとき、あるツィートを読んでいて知ったのがこの本。
『サトコとナダ』
漫画の形態はストーリーがずっと流れているのでなく、
エピソードをつづった四コマ漫画なので、
結構ゆるゆると楽しく読むことができました。
イスラム世界というととかくわたしたち日本人は「怖い、厳しい」と思うものですが、
本当に戒律に従って生活しなければならないのは、
いわゆる「アラビアの方たち」なのだそうで、件のトルコ青年なんかは
毎日、きっちりきっちり一日五回お祈りなんかしないらしいし(それでも夜寝る前にはするらしい)
食べ物もアラビアほどには、うるさく言われないらしい。
服も日本人と全く変わらないごく普通の恰好です。
というように、一口にイスラム世界といっても
地域によりいろいろだということです。
日本だって、仏教の国のカテゴリには一応入っているかもしれないけど
上座部仏教の人たちと比べてみると、「同じ仏教徒です」って言えないと思うほど
かけ離れているものでしょ?
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
さて、本題。
サトコとナダは、アメリカに留学した者同士なのです。
ナダが一緒に住んでくれるルームメイトを探していたのですが、
案の定、ナダが黒いのをすっぽりかぶったイスラム女性だと知ると、
誰も一緒に住もう!と言ってくれる人がいなくて
困っていたんですね。
そこへ来たのが、日本人のサトコ。
サトコもはじめ、目だけを露出して、あとはすっぽり黒い覆いで包まれているナダを見て
一瞬たじろぎましたが、
「でも、これが国の外へ出るってことなんじゃないかな」と思い、一緒に住むようになるのですね。
男性がいる家の外に出る時は、黒い覆いをかぶらなければならないナダですが、
サトコとふたりっきりのときは、おしゃれが大好きで流行のものにとても敏感な
普通の感覚の女の子に戻っています。
イスラム世界では、肌や顔を露出させてはいけないというきまりがあるので、
ナダたちはその教えに従っているのですね。
それに対してどう思っているのかとサトコがナダに訊くと
意外な答えが返ってくるのですね。
というのも「こうやって顔の美醜を隠しているお蔭で、不美人だからという差別を
男の人から受けることはない」とのこと。
なるほどなぁ~と思いました。
あと、一夫多妻制の制度のこと、
女性の在り方のことなど、
いろいろと出てきます。
サウジアラビアは、女子の教育はありますが、
学校に「体育」の時間がなく、
ナダは身体を動かすことを怖がります。
身体を動かす快感というものは、男女限らずあると思うので、
それは惜しいことだなと思うのです。
あと、アラブの男女の結婚というのは、
たいてい父親と当事者の男兄弟が決めるものなのだそうです。
アラブは男女交際というものは基本的になくて、
いきなり結婚式から始まることが多いらしい。
ただ、じゃあ、それで夫婦仲が悪いのかというと
案外擦れてない分、「これが宿命」と思っている人も多いせいか、
結婚してから、恋愛をしている夫婦も多く、結構仲睦まじいカップルは多いと聞きます。
それは、父親と兄弟が一生懸命、娘、あるいは妹に出来る限り、
見目好く、お金持ちで、性格もよい男性を探すからだと思います。
選択の中に限りなく肉親の情愛があって、なされるものなのだろうと思いますが、
やはり、人って付き合ってみないとわからないところもあるので、
場合によっては、「不幸な結婚」「DVの旦那」ということもあります。
でも、イスラム教ってカトリックみたいに一生結婚を強いることもないらしく、
離婚はできるのだそうです。
まぁ、こういう恋愛観を持っていた、ナダですが、
やはりというか、お父さんとお兄さんが、
まったく見ず知らずの男性と結婚を決めてしまったとき、
非常に立腹するんですね。
「結局、わたしは売られていくのね」
まぁ、昔女は家畜とおんなじ扱いというか、「財産」だったんですよね。
女は持参金をつけて嫁にも行くけど、男側のほうだって、嫁の家のほうに
結納金を払わなくちゃいけない。
つまり、貧乏な男は結婚できないってこともあるんじゃないかな。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
アラブ社会は、つい最近まで女性に参政権がなく、
自動車を運転することも禁止。
つまりは男性が庇護しなければならない存在だったのですね。
まぁ、そういう意味で夫に非常に大事にされている女性も多いのですが、
反対に、夫に死なれて、職もなく、道端で物乞いをするしか生きる道がないというのも
アラブ世界の一面であったりするのですよね。
だから、こうすればいい、という提言は作品の中で一切されていません。
日本人はただ、事実をありのままにみている観察者なのです。
2018-11-16 10:31
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コメント(2)
こんばんは。ご無沙汰しています。
私の周りにムスリム、ムスリマが何人もいて生活とかとても不思議に思います。でもアラブの人はほとんどいなくて東南アジア、インドネシアの人が多いです。インドネシアのムスリマはベールはかぶって、顔と手首から先以外の肌は出しませんけどベールがカラフルで日替わりでいろいろ見てて楽しいです。色の濃いのと薄いのと薄布を2枚重ねてベールにしたり、その色とスニーカーを合わせたり、ベールをとめるためのピンもさまざまで、こういうところにおしゃれするんですね。
結婚についてはあまり例を知らないんですけど、幼馴染で高校生のときから付き合って結婚した、という日本人と変わらない人もいるし、インターネットお見合いであいてを見つけた人もいるし。インターネット見合いのご夫婦はその後何年もラブラブです。神様のお導きなので仲良くできるよう努力もするような感じにみえます。なお、運動は結構するみたいで、あのずるずるした服装で卓球やってるのをみましたし、ドッジボールも上手でした。(そういえばインドネシアはバドミントンで有名)アラブと東南アジアではかなり女性の扱いも違うようですね。
アラブだと、エジプト人に結婚式の披露宴のビデオをみせてもらったことがあるのですが、ベールをかぶった女性、かぶらない女性、服装についてもいろいろなのでその辺どうなのか聞いてみたんです。ベールをかぶるかかぶらないかが問題ではないんだそうで、肌を出すとか体型がわかる服を着る、ということが宗教的に不道徳な感じがする、と言っていました。不思議世界です。
by ぶい (2018-11-18 01:28)
ぶいさま
お久しぶりです。書き込みありがとうございます。あしたトルコ人の男の子とふたりで京都観光しなければならないのですが、どこがいいですかねぇ。やっぱりオーソドックスに二条城かなぁとか思ったりして。
さて、わたしボケていて「サウジ女子」と書いたつもりが「アラブ女子」になってしまいました。
やはりおんなじイスラム教圏内でも、いろいろと違うみたいです。
東南アジアのあたりはおっしゃるとおり、ベールは被っていても黒ではなく、カラフルですよね。たしかゴスロリをムスリマ服に取り入れている記事もみたことがあったような。シュールだなぁと思ったけど、それが彼女たちの楽しみ方なのですね。
京都であるあるが、ムスリマの人が和服に着替えて(そういうレンタルサービスがあります)街を探索するのですが、やっぱりベールをかぶっているので、まるで尼さんのようだわw
やっぱり戒律が一番厳しいのは、アフガニスタンとかサウジアラビアのようですね。イランなどは肌さえ見せなければいいということで、結構華やかな服を楽しんでおられる方もおられるようですし、女の人も男性のお医者さんに患部を見せるのはタブーに触れるのか、たくさん女医さんがいるようです。
今、滞在しているトルコの青年も「僕たちムスリムですけど、アラビアのほうみたいにあんなに宗教にガチガチに縛られることないし」とも言ってました。
もう一人、娘にはチュニジア男子の友達がいまして、小説のネタたにしたいので、そのチュニジアの方に詳しくインタビューしたところ、チュニジアのブライダルドレスって、セパレートでお腹が見えるんですよね。
そかなりチュニジアの世俗化しているほうらしいのですが、またその方はきちんと一日五回、お祈りもされているそうですし、食べ物の掟もきちんと守っているようです。
なんかさまざまで、やはり、わたしもあんまりわからない、っていうのが本当のところかなぁ。
by sadafusa (2018-11-18 10:08)