自己認証欲求とパワハラ ① [ひとつの考察]

こんにちは、
今日は今年一番の寒さです。

さて。
今日の話は「自己認証欲求とパワハラ」というタイトルとはちょっとずれるのですが、話は広範囲にわたりますので、まずは導入部的な部分からお話ししてみようかと思います。

わたしの娘はご存知の方もいらっしゃるかと思いますが画家で、
その認知度を少しでも深めようとして
facebookなどは広く門戸を開けているそうです。
というのも、昔は新聞などが情報の媒体になったのですが、
昨今はもう、新聞など年寄しか読まないのですね。


わたし自身は以前、facebookしていましたが、なんとなく肌に合わないので放置してあります。
facebookってともすると、「どれだけ自分がリア充しているか」を世間に知らしめようとする、そもそもが自己認証欲求を満たすといいましょうか、発散させようとするツールになりがちだと思うのですね。

わたしなんぞは、おいしいものを食べたりしている時に、必死こいてfacebookに写真をUpしようとしているその姿に興ざめしてしまいます。
「あんたって自分が満足していることを、わざわざオブザーバーを作って肯定して称賛してくれないとだめなの?」とつい思ってしまいます。
自分の人生、人に「すごいなぁ」と思われるよりも、人に何と言われようとまず自分が楽しむこと、自分が主体になれよ!とついついイラっと思ってしまうタイプなのですが。
ね、認証欲求もさることながら日本人は自己肯定力も弱まっているのかな、と考えてしまいます。


で話は戻ります、本来なら画家は絵で勝負!しなければならないはずなのですが、
昨今はそれだけじゃダメで、画家本人の魅力っていうのも
絵が売れるための重要な鍵になっているのです。
自分自身が一種のタレントみたいなものなのですね。
まぁ、絵なんて生きていく上で必要じゃないので、
一種のイメージ戦略を敷いていかなければならないのです。

娘の仲間の女性画家さんたちも(いや、本当のことを言えば男性もなのですが)
そこらへんのことは非常に気を遣って、自分のイメージアップにつながるような
戦略を練っているようです。
だから、プロフィールに載せる写真なんかでも、非常に気を遣うわけですよ。
美人や美男に映っていなくても、こう「なんかいい感じだなぁ」とか「おしゃれな人だなぁ」とか。
なんか人にアピールできるような画像になるように腐心しているんですね。


そうすると、その甲斐があって当然のことなのかもしれませんが
娘が女性であるということは男性がターゲットになるのですね。
しかもお金を持っている人といえば、若い人より年配の方だと思うのです。
まあ、当然の結果なのかもしれませんが、
50代ぐらいのおじさんの友達申請がすごく多いのだそうです。
そして、友達申請するときは皆、こういう決まりというか作法が決まっているのかと思うくらい、
一様に皆さんの行動が同じなのだとか。

メッセージを送ってきて「〇〇と申すものです、よろしくお願いします」で始まり、
同じことをみんなに見えるところにも書き込みをし、
そして大して日本画(娘は日本画家)に興味もないように思えるのに、
いつまでも、いつまでも、いつまでもメッセージを送り続けるのだそうですよ。
たぶん、この方たちは他にもこういう自分と同類の男がメッセージを送ってきているだろうと
想像できてなくて、「こういうふうにメッセージを送っているのは自分だけだ」と錯覚しているんです。
これは、日本人に限らず、外国人もそこらへんの事情は同じなのだそうです。
だいたい外国人は「You are beautiful You are beautiful (これは単なるお世辞というか口説き文句の常套手段)」ばっかりいってくるので
彼女は「ユアビーティフル男の攻撃」と呼んでいます。

娘はいってみれば客商売なので、無碍に嫌な顔もできないのですが、その目的は
結局のところ、娘としては自分の絵のパトロンを探しているんですよね。
本音は絵も買わないんだったら、相手になんかしている暇なんかね~わ、なんですよ。

どういうんでしょうかねぇ、でも向こうは勝手に疑似恋愛に陥っているようで
非常に気持ち悪いと言っていました。
そしてその常ならぬはしゃぎようというのは、本当に異様ですらあるのです。

だいたい、長いメッセージを送って来るのはこういう人の常套手段なのですが、
エスカレートしてくると、自分がやっている活動(全く関係ないこと)を娘に送って来らるのだそうで。
酷い人になると電話をかけて来るそうです。
あと、「寂しんです、あなたと一緒に夜明けを見ることができたら幸せです」とか。
何言っているんだ、気持ちわる。

推測できることは、「若い女性画家とつきあっているワシってかっこいい」と
自分に酔っているのでいるのではないかな、ということです。
なんとなく傍から見て画家の女性というのは人に自慢できるアイテムなんだろう、ってことです。
トロフィー彼女なのかもしれません。

「きれいですね、きれいですね。お付き合いしたいです。ぼくは
〇月の〇日に空いているのですが、お会いすることはできないでしょうか?」
(だからと言って、「すてきな絵ですね」と絵の感想はほとんど言ってくれないらしい)

絶対に最後はそういうふうにもっていくオヤジがほとんどだ、と言ってました。
ですが、百人に1一人は「おお、この人は!」という、すごい鉱脈に当たったりするので
やめられないんだって言っていましたが。



ですからfacebookは娘の活動をいろんな人に知ってもらうための格好のツールにはなりえるのですが、
ただ、どう考えても娘の絵を気に入って、近づいてくる方は50人にひとりもいない、ということらしいのです。

娘いわく「もう、おじさんは本当にしつこく困る。初めは殊勝にしていても
最終的には交際したい、つきあいたい、になるんだよね。奥さんやわたしと同じ歳の娘がいたとしても。
で、どんな変なおじさんなのかとその人の所へ行くと、結構奥さんと仲良く旅行したり、会社の人と釣りに行っていたりする写真が載っていたりしてさ。」

でも、おじさんはどこかで認められたいっていう認証欲求がものすごく強くて、その目的のひとつにはどうも若い女の子と恋愛関係になるってことも重要なアイテムらしいんだよね。あ~、もう本当にこういうおじさんはいやらしくて嫌!」
とぼやいておりました。

とにかく、メッセージ送って来るにしても、会話のキャッチボールなんか全然できないし、
ましてや空気を読むなんてもってのほか。
とにかく、ひたすら自分のことばかり(それもたいてい自慢)が続くらしいです。





話は続く。
次回はなぜ人間は自己認証欲求があるのか、を考察してみたいと思います。
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sadafusa

一度、娘がインスタを見せてくれて、アメリカ人の外科医にしつこくされて困っていると相談してきたことがありました。
そのアメリカ人はどうも本当に医者らしいのですが、やっぱりユアビーティフル男なんですよね。

これは外国人の単なるあいさつなんだよねぇ、と思い、あんまりしつこいので「そう思っているんなら、日本に来て、わたしの絵を買ってよ」って言ったそうです。

「ああ、じゃあ、そうしようか。いつ日本へいけばいい? 楽しい夜が過ごせそうだね」と返事してきたので絶句。


by sadafusa (2017-12-18 11:27) 

Yui

そりゃあ、絵は売っても身体は売らなくてよ!って言い放ってやればよかったのに。芸は売っても身は売らず。ですかね。
やっぱりしっかりした画商さんとかついてもらった方がいいのかな。絵で勝負するのは難しいことですね。
by Yui (2017-12-19 15:31) 

sadafusa

Yuiさま

たぶんですね、外国の男って
「Japanese girl is easy」って思ってるんですよ。
御しやすいっていうか、尻軽で、ちょっとホメたら有頂天になってホイホイやらせてくれるみたいな。

あと、変なオリエンタリズムっていうのかなぁ、マダム・バタフライ的な幻想を持ってるのかもしれないです。
by sadafusa (2017-12-19 15:35) 

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