美徳って何? [雑文]

こんにちは。sadafusaです。

今日の京都はちょっと寒いです。
でもこれが例年並の気温らしくて、
これまでが妙に暖かかったんでしょうね。

寒暖差が激しいので、みなさんもお風邪を召さぬように
お気をつけくださいね。


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ここ最近、ちょっとシビアなことばかり書いていますが、
今日も常日頃私が感じている「美徳」とか「モノの善悪」の話についてしようかなと思います。


普段私達が何気なく口にしている「いいこと」とか「悪いこと」って
何を基準にしているのでしょうか?

ちょっと前、「どうして人を殺してはいけないの?」みたいな質問を子供がしていて
大人が絶句していた報道があったように思いますが、
これなんかは、案外簡単に答えられると思います。

もし人を殺すのが合法であれば、
私達はいつも「殺される」ことに怯えて暮らさねばならないことになりますよね。
そうすると、健全で文化的な生活を享受することができなくなります。
また、経済活動にも支障をきたすことにもなります。
つまり、「自分が殺されないために」「他人を殺してはいけない」のですよ。

でも~、ですね。
旧約聖書の出エジプト記に「十戒」っていうのがあります。
その中には「汝の父と母を敬え」っていうのがあるんですよ。
これが妙にハードル高いよね。
儒教でも、「親孝行」というのは、人間が為すべき「徳」と考えられています。

でも、じゃあ、私みたいな機能不全家庭で育った人間でも、
虐待された人間でも、親を敬わなければならないの?
って思うじゃないですか?

昔、私、江原啓之さんにハマっていたことがあって、
(とはいえ、私はいわゆるスピリチュアリストじゃないです)
彼は「あなたが今、ここに在るということは、
100%ではなくても、たとえ10%だったにしても、
親から愛を注がれていた証拠だ」っておっしゃっていたんですよね。
まぁ、江原さんは幼児の頃にお父様をなくされて、
それから後、愛されて育ったといえども、
中学生の頃にお母様を亡くされていて、
人一倍、親のありがたさが身にしみていらっしゃったから、
言えることだと思いますけれど…。

しかしこの言葉、当時の私にしてみれば、かなりキツい言葉だった。

でもある時、思ったんですよ。

たとえ我が子に嫌悪感を抱く人間であっても、
やはり子供を「捨てる」という行為は、かなり大きな決心、
つまり、罪悪感を覚えることです。

普通の人間はそんな度胸はないので、
常日頃からネチネチと憂さ晴らし的に子供をいじめながらも育てていっても、
子供は日々成長していくので、なんとかそれなりに育っていくものなのです。

だからといって、身体だけは育っているかもしれないけど、
心はズタズタですよ。

それに子供って親にニグレクトされちゃうと
すぐに死に直結するってことが本能的にわかっているので、
いろんなことに耐えているのです。


まぁ、別にこのトピは毒親について語るものではないので、これぐらいにしておきますが、
人間本能に従って性交すれば、若くて健康な男女だったらすぐに妊娠するし、
妊娠して産んだからには、育てなきゃって義務が生じるのですよ。

そこに愛が10%か20%、生じていたからといって
どうして子供が、親をずっと敬い続けなきゃいけないの?って話なんですよ。

あ、別に私は親は敬っていてもいいと思います。
でもそういう親って、子供が成人に達していても、支配しようとするからタチが悪い。
しかも「アナタのため」とか言って、妙な干渉をしてくる。
これが一番問題ですよね。

私はなぜ、親と付き合うことを止めたのかといえば、
これ以上親と付き合っていると、
自分の人生なのに自分らしく生きられないなって
思ったからです。

今更、親のことを、ものすごく嫌いとか、憎いとか思っていないです。
強く憎むってことも、したくないですね。

どうせなら、楽しく過ごしていてくれたらいいなとは思うのですが、
しかしこれ以上付き合いたくないのです。
なぜかといえば、私と親との価値観は乖離している。
美しいと思う行動の規範も、
お金の使い方も、
何もかも違いすぎるのです。


自分の好きなことを親に知られたくないし、
今自分がどういう気分でいるかを教えたくない。
喜びを共にしたくないんですよ。
というか、喜びを共にすることなんか未来永劫ないとある時わかったからです。

要するに親と「離婚」したようなものです。


まぁ、これらは非常にわかりやすい例として出してきたのですが、
なぜ、こんなふうに旧約聖書の時代から親を敬えだの、
「亀の甲より年の功」とか敬老しろとか、
あとは、男尊女卑とか。

こんなのは、そういうシステムにしておけば、上に立つ人たちが楽だからです。

無能な暴走老人であっても、「男」で「年寄り」だったら、
大事にされるシステムが便利だったからです。

ということは反対に、大変有能な人であっても、「若い女性」だったりしたら、
それだけで世の中に出ていくのは難しかったのです。

30以上前の日本は年配の男が常に頂点に立てるようにシステムが出来上がっていたのです。
先だって、森喜朗さんの女性蔑視の言い草を聞いていると、
森さんの中では、30年前の規範は今も生きているんだな、
やはりシーラカンスと言われても仕方がない。


ここで考えて欲しいのですが、
人って「葛藤」することが嫌いなんですよ。
「親や老人、男」を敬うのが常識だったりしたら、
「そういうもんだ」で流されてしまうのが楽だったりするんです。

だって、「私は女だけど、めちゃくちゃ有能なんだから、頭の悪い兄ちゃんに代わって進学したい」
っていうと、ものすごく周りと闘争しなきゃならなくなるじゃないですか。

日本って「和を持って尊しとなす」国だから、こういう争いごとを
起こす女は、昔なら徹底的に弾圧されたけど、
今は私の若い頃よりはだいぶマシになってきました。

私は若い頃から気管支が弱くて、隣の席でおじさんがタバコを吸っていたりすると
本当に苦しかった。
だけど、当時のお局さまなんて澄まして言いましたね。
「そんなに煙けりゃ、あなたが会社を退職すればいいの」
時代はつくづく変わったなって思います。


だからたとえごく小さなことであっても
自分で考えて決心するべきだと思うんですよね。

そのとき必ず、葛藤はつきまといますが、
物事にはメリット、デメリットの両面があると思うんですよ。

それでも自分らしく生きていくために、
よく考えて、結論を持っていく習慣をつけるようにすべきだろうな
って最近つくづく痛感します。


考えるといっても、ただ、自分の頭だけでグルグルしているだけではなく、
時には本など紐解いて、専門家の意見などしっかり読んで、
参考にするべきかなと。

そのほうが、なんの知識を持ち合わせていない知人や友達に相談するより有益です。
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ぼんぼちぼちぼち

そうでやすね、あっしらが若かった頃は、まだまだ男尊女卑が当たり前だったなあと、色々思い出してしまいやした。
痴漢に合ったりしても、おばさま達は「スキがあるアナタが悪いの」って若い女性の側に眉をひそめやしたもんね。
親の子に対する虐待への理解でも、気がついたら時代が変わってくれてて、そういう点ではいい時代になったなあと思いやす。
by ぼんぼちぼちぼち (2021-04-08 18:54) 

sadafusa

そうそう。この間、特撮ヒーロー好きの夫が昔の「ウルトラQ」って番組が4K用に再編集されてNHKのBSで放映されるっていうんで、喜び勇んでブルーレイで録画していました。
その後、夫が録画したのを見ている側で編み物をしていたんですが、「土人」とか「オシ」とか差別用語のオンパレードでした。
こういうの、差別用語だからって放送禁止にされて、世の中に定着したあと改めて聞くと、いかにその言葉が汚くて侮蔑的であるか、しみじみと解るものです。

男尊女卑も、少しずつ女性の地位が向上すると、いかに昔が女性に対して無礼な態度をしていたかがわかります。

しかもタチの悪いことに女性蔑視というのは、なにも男性ばかりがするものではなく、女性から女性にもするものなのですよ。

今も昔も花嫁衣装は「白無垢」ってヤツを着ますね。
あれはウェディングドレスの日本版というわけではないです。
ウエディングドレスは新婦がまだ生娘で純潔であることの象徴なのです。一方白無垢というのは、「死装束」なのです。というのも、これまで生家で生きていた女は結婚式をすることで、一度死に、婚家の人間として生きるという成約の象徴だったんですよ。

これってなんて侮蔑的なことですか?
なんで結婚ごときで、自分のこれまでの全人格を否定されなきゃならないの?

女っていうのは、親や義理の両親たちが世間的に「いい娘、いい嫁」として威張れるぐらい出来がよくあってほしいものなんだけど、決して母親、決して姑を超える存在であってはいけないのです。

それがいわゆる心理学用語でいうところのダブルバインド(二重拘束)っていうものなのです。

だから美人で若い娘が会社で遅くまで残業して、疲れ果てて家に帰ろうとしたとき、それでも用心して歩いていたにしても、世の中の欲求不満のおばさんたち(これまで葛藤せずに、世間に流されてきて自分の生活を模索してこなかった人)は「夜道を若い女が歩くのが間違っているのよ!」と被害者をさらに鞭打つことを言うんですね。
痴漢にあうのもおんなじです。
私は昔目蒲線に乗って、通勤していたのですが、毎日毎日痴漢にあっていました。
頭に来た私は、ある時、パンティストッキングのお◯タの部分に蓋を取ったハンコを押すための赤インクのスタンプ台を逆さまにしてしのばせました。
案の定、痴漢のお手々は赤インクで真っ赤っか。ざあーみろ。
おまえは世間に向かって「痴漢をしました」と白状しながら歩くがいい。


若い頃から絶対に仕返しを忘れない人間でした。
だから、今日もしぶとく生きているのかも。



by sadafusa (2021-04-08 20:20) 

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