超絶イケメン四人+イケオジが楽しめる『マスケティアーズ パリの四銃士』 [読書・映画感想]

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今年の夏はひたすらドラマばっかり見ていた夏でした。
なにを見ていたかというと、『オスマン帝国外伝』と『ハンニバル』と『マスケティアーズ』かな。

こう書いちゃうと、「な~んだそれだけ?」って感じだけど、
いやいやいや、ほんとみんなそれぞれに長いのよね。1シーズンにつき10話ほど詰まってるし、1話が約小一時間だしね。


今日、ご紹介する『マスケティアーズ』はなんつーか、別に話の筋が込み入っているわけでもなく、例えていうなら日本の『痛快娯楽時代劇』ってところなのかな。

マスケティアーズって何?って思いません?
これはね、ルイ13世の御世に出回っていた「マスケット銃を持った人たち」つまり「銃士隊」ってことですよね。

あ、申し遅れましたが、『マスケティアーズ』とはかの有名なフランスの大文豪の傑作、
『ダルタニャン物語』(日本じゃ、最初の部分の『三銃士』だけが有名)が原作です。



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BBC版「マスケティアーズ」!!

はい、もう、超絶イケメンパラダイスであります。
よくも集めてきたなぁっておもうばかりのイケメンばかりでございます。

いろいろこのドラマについて書きたいんだけど、全部思ってることを書くと長いしなぁ。
まぁ、人物紹介といきますか。

①ダルタニャン
日本語でも英語でも「ダルタニアン」と発音していたけど、本当はダルタニャン。フランスじゃことわざでも「友を持つならダルタニャン」って言われるほど、友情に篤い好人物に書かれています。最初の『三銃士』の頃はまだ少年で威勢がよく、明るい人物ですけど、途中で出世もせず、実力があるのに銃士隊の万年副隊長でくすぶった哀しい男として書かれています。

はい、ではどういうお方がやってたのでしょうか!

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じゃ~ん、この方でございます。ルーク・パスカリーノ。
この写真はこの人の得意な表情よ。片眉だけをお道化たように上げる。

この方は187センチの長身で、本当に手足が長い!

で、シーズン1の頃はまだ少年っぽさが残っていたけど、シーズン3になると(実際に年月も経っているせいか)ぐっと精悍で大人っぽく成長しておられました。
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この人って名前を見てお分かりの通り、イタリア系なんだよね。両親がイタリア人とのことだけれど、ナポリとシチリア出身だとか。だからかこの人にはちょっとアラブというか、アフリカの血を感じさせる。まるっきり西洋人という顔でもないんですよね。かなり浅黒いし。

なんかこの人見てると、『スラムドック&ミリオネアー』『ライオン』の主人公のインド系のデーブ・パテールとかキアヌ・リーヴスとか彷彿とさせるんですよね。顔がっていいうより、なんかエキゾチックなところとか、身体がしなやかなところとか。

このドラマでダルタニヤン役を仕留めたとき、世の中は「おお、なんだ!このメッチャイケてるにいちゃんは!」って沸き立ったってことですが、しかし私はすでにこの人を知っていた。この人は『ボルジアズ』で最初のルクレツィアの恋人の役で出ていました。そのとき「端役にしては妙にイケメンだな」と結構印象的だったんですよ。

②アラミス
アラミスは原作では、大貴族の次男という設定。家督を継げないから僧侶になれってんで、神学校へいって神父にはなったんですが、なんていうのかなぁ、この人はそういう抹香臭いのが嫌いなんです。もう水も滴るような美男で色男。どんな女でも落ちない女はいない。という凄腕の女たらしなんですよね。
で、それでもって結構腹黒いヤツでありまして、原作ではイエズス会のパリ管区長となりおおせ、あわよくば法王のポストも狙おうと虎視眈々と姦計を練る人物なんですよ~。(知ってた?)
四銃士は基本的にみんな仲が良いのだけど、ダルタニャンとアラミスがどっちかっていうと性格がダークなのに対し、アトスとポストスは忠犬ハチ公のような性格なんだよね。
で、やはり似たような性格だと衝突することが多いせいなの名k、ダルタニャンとアラミス、アトスとポルトスが組むことはあんまりなくて、ダルタニャンとアトスとか、アラミスとポルトスっていう風に組むことが多いのです。
アラミスは結局、誰よりも長生きするんだけど、愛する友三人を次々と見送らなきゃならないという悲しい宿命を負っているんですよね。

ま、前ふりはこれぐらいにして、アラミス、どんな方が演じておられるのでしょー?

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はい、この方はチリ出身のサンティアゴ・カブレラという方です。カブレラって名前からしてポルトガル系のような気もするけど、かっこいいですねぇ。
ばっちりわたしのドストライクゾーンを通過しております。
秀でた額、すこしアンニュイな切れ長の瞳。筋の通った鼻。きりっとしまった口許。フェイスラインもしゅっとしていていいです~。

この人、ラテン系なのでしょうが、そういわれないとちょっとわからないね。ラテン系独特の濃さってものをあんまり感じさせないけど。でも視線の強さがそうなのかなぁ。

まぁ、ドラマのアラミスも原作にたがわず色男です。しかも!なんというか王妃様とデキてしまっているという…。
映画の『仮面の男』ではルイ14世の父親はダルタニャンということになっておりましたが、なんての、世間ではアンヌ・ドートリッシュから生まれたルイ14世はルイ13世の子供ではない、っていうのが定説になっているのでしょうか?
まぁ、なかなか生まれなかったってのは事実らしいよ。

この人、他の三人と比べるとエレガントなんですよね。ベルトの下にいつもサッシュ巻いていてなかなか細かい演出が効いていてよい。
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この写真のベルト辺りに注目。



③アトス
アトスは四人の中では一番の人格者でまとめ役です。アトスはたしかリシュリユーかな、もしかして王様だかに「アトスだと? それは山の名ではないか?」と言われてしまいます。
彼は本当はラ・フェール伯爵って言って、「貴族の亀鑑」ともいわれたほどの立派な人だったんですが、惚れぬいて結婚した女がなんとミラディだったんですね。ミラディはうそつきの大罪人だったのだけれど、ものすごい美女だったので、人のいい伯爵は騙されてしまったんです。ミラディを領地内で処刑させたあと、すべてを捨てて一兵卒として銃士隊へ入ったのですが…。処刑したはずのミラディがなんとなんと、生きていてリュシュリューの手下として働いていたという驚き!
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まぁ、勇敢なんだけど、人の好過ぎるところもあるちょっと哀しみを背負った人物として描かれています。
はい、どんな方が演じておられるのでしょうか。
トム・バークと言う方です。
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アトスという役は美男子という要素より、貴族としての風格とか威厳というものを感じさせる、多少無骨な俳優さんがやるほうがいいです。そういう意味ではこの俳優さんはピッタリでした。とはいえ、他の三人に比べればって話ですので、やはりものすごく長身で素敵な方です。

④ポルトス
ポルトスは本当に人が良く、おおらかでこだわらない好人物として原作には描かれています。四人の中の誰よりもお金持ちですが、平民出身ですので、ちょっと成金っぽい趣味があるというか。いつもわかりやすい派手な服をきている、っていうのがポルトスです。

そういうポルトスをやるのが、この方ですね。
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ハワード・チャールズ。
この方は、パッと見たらわからないんですが、アフリカの血が入っているんですよね。そういう意味では今までにないポルトス像です。でも、今までのあまたある三銃士関係のドラマや映画の中では突出して魅力的な人物に描かれていました。
ドラマの設定では、さる公爵の息子なのですが、アフリカから連れてこられた奴隷女が母親なのです。母親は父親と別れてパリのスラム街でポルトスを産み落とし、育てられるのです。
しかしポルトスってのは、そういうスラム街で育ったことに一種の矜持ってものを持っているんですよね。「おふくろはおれのことを誰よりも愛して育ててくれた」ってね。

これは原作者のデュマ自身がこういうアフリカの血が入っていて、デュマのおとうさんがポルトスのような軍人だったのです。そこらへんをリスペクトして作られた設定なのかなって思いますね。

ですから、この人は困った女の人を見ると助けずにはいられないんです。お腹の大きい未亡人のお産に立ち会ったりしてね。誰もいなくて心細い思いをしている未亡人の手を大きな手でしっかり握って「おれはスラム街で育って、こういうのには慣れてるんだ。だから安心して任せてくれ」ってね。頼もしいわ。恋人や夫にするんなら絶対にポルトスだなって見ていながら思いましたもん。


⑤トレヴィル隊長
普通なら、トレヴィル隊長まで入れませんが、このドラマではトレヴィル隊長は結構重要な役なので、紹介しておきます。
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役者さんはヒューゴ・スピアーと言う方です。
この人もめっちゃ渋い俳優さんで、なんていうのかな、英国美男子のひとつの典型じゃないかなぁと。
この人って『美女と野獣』のガストン役をやっていた、ルーク・エヴァンズを老けさせるとこういう顔になると思うんですね。(ルーク・エヴァンスは映画でアラミスを演じていました)

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特筆することがあるとすれば、衣装でしょうか。
普通、三銃士の衣装というものは、もっとハデーでカフスや襟がぴらぴらしたレースがついているのが定番ですが、このドラマってそういうものを極力排除して、渋く渋く作っています。
しかしながら、フランスと違いイギリス独特の美意識で色の選択をしておりまして、銃士隊の制服であるマントがトルコブルーっていうのは意表を突かれて新鮮でした。



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こういうのがだいたい我々の中にある既存のイメージ。(ダサいよね…)

隊士の服がブラウンですので、こういうブルーは意外と映えます。無骨ながらも、このマントを斜交いに肩にかけて馬に乗っているシーンなどは、かっこよすぎてしびれます。
やはりこういうマントってロマンを感じさせる重要なアイテムですね。

あと、この時代は襟は袖口に豪華なレースなどを持ってきて飾るのが流行っていたのです。もちろん王様なんかは非常に凝ったレースの襟飾りなのですが、途中で貧乏貴族っていうのが登場しまして、その人は貧乏な故に、白い麻をタティングレースで飾っているのです。

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タティングレースとはこういうものです。

これには参りました。タティングレースというのは、最近日本でも結構流行りの手芸になっているんですが、シャトルというものをひねりながら作るのですね。かぎ針で作るレースともちょっと違うのですが、早く出来るという意味ではブリュッセルなどで作られるボビンレースなんかとは全然違うのですよ。ボビンレースは専門の職人に作らせなければできないものですが、タティングレースは奥さんでもできる。そこらへんが実にリアルでよいなぁと思ってみておりました。


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参考画像としてヴァン・ダイクの肖像画を張り付けておきます。
ヴァン・ダイクはイギリスの王室の専属肖像画家ですので、これは非常にきらびやかな例ですね。


ミラディや王妃さまの衣装もなかなか斬新でよかったのですが、それを言っているといつまでも終わらないので、今日はこのへんで。
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