『こじらせ女子』に対するオバサンのイチ考察 [ひとつの考察]

皆さま、こんにちは。

いかがお過ごしでいらっしゃいますでしょうか?


最近、自作の小説を置いておくためにテキトーなところはないかと
物色してnoteにたどり着いたんですが、
あそこってわたしみたいなバーサンはほとんどおらず、
比較的若い人が書いているみたいなんですが、
読めば読むほど、悩める場なんだなぁと
しみじみします。

今の若い子たちは、それこそsmapが歌っていた「世界でひとつの花」のように
なんか個性的に、NO1に生きなければならないという過酷な刷り込みをされて
そのため、平凡に生きることを許されず、疲弊しているように思えるんですよね。

たしかにわたしが若い頃のように
「女は男や親の言うことを聞いていれば間違いがないんだ!」とか
「女が妙に頭がいいのはけしからん!」とか
「早く嫁に行け!」などと言われなくて
今の若い人たちは幸せだなぁと思っていました。
しかし、そういう重しがなくなると、却って選択肢が多すぎて
もがき苦しんでいる人のなんと多いことか…。

今日はちょっとそういう方を取り上げてみたいと思いました。

まずですね、だいぶ古い本になるのですが、
『女子をこじらせて』

女子をこじらせて

女子をこじらせて

  • 出版社/メーカー: ポット出版
  • 発売日: 2011/12/06
  • メディア: Kindle版



の雨宮まみさんですね。
「こじらせ女子」という言葉の発端はこの人にあるらしく、
世間に皆目疎いわたしは、
「そもそも『こじらせ女子』とはなんぞや?」と思って今更ながら
手に取って読んでみた一冊です。

感想はですね。これほどに繊細な感受性を持っていて、知的な雨宮さんなのに、
完全に進む方向が間違っているとしか思えない!ってことです。

この方は、お母さんが教育ママで、小さいころから「頑張る」ことを強要されてきた方ですね。
親の期待に応えるべく、一生懸命お勉強をして、地元では一番の進学校に合格する。

ここまではいいんですよ。

で、大学受験するために上京したホテルにAVヴィデオがあった。
そこからこの人の人生が狂い始めるみたいです。

女だって、性欲っていう本能があるんだから、まぁ、こういうものに興味があっても
全然かまわないと思うんですよね。

ただこの人はたぶん、全然免疫がなかったのかな。

それでなんだかんだでAVライターになるんですよ。

もうね、ここら辺がオバサンにとってはめっちゃ驚きなのね。

雨宮さんが人と群れることをよしとせず、
また、男にもてたいとも思わず、
完全に一匹オオカミで生きてける自信とタフな根性があるんなら
AVライターでもなんでもやっていてくださいよって思うのね。

だけど、この人は人一倍傷つきやすく、人に愛されたいと思う願望が強いのに
どうしてこんな、誰が見ても間違っているみたいな道を突き進むのだろうかと。

この人、自分の容姿に自信がないんです。それでも大学生のとき、
バニーガールのバイトもやっていたんですよね。
わたしにしてみれば、ああいう網タイツ履いて、バニーコート着て、ハイヒールを履けた時点で
「あ、やっぱりあたしもそれなりに大したものなのだな」って納得して
普通のOL生活を始めると思います、たぶんね。

しかし、この人はAV女優を見て非常にうらやましい、輝いて見えるって思うらしいんです。
たしかにAV女優は身体がきれいであるってことが絶対必要条件だとは思うのですが、
ですが、一部の人をのぞいて、こういう人ってAV女優であることを
ひた隠しにしているものでしょ?

動機はどうしてもたくさんのお金を稼ぎたい、ってことじゃないですか。

しかもソープかなんかで働いているなら、まだしも不特定多数の人に顔をさらしているんだから、
いつバレるんじゃないかとびくびくしながら生きて行かなきゃならない。
自分の親に対しても、非常に親不孝な所業だと思うよ。


ちょっと考えてみれば、そういうことはすぐにわかりそうだと思うんだよね。
なのに、あんなに勉強することを強要していた親も
AVの出版社に勤めることを反対しない。

同じ親の立場に立つものとして非常にこれは不思議でしたね。
なんか親のほうも「どういうことが美しいのか、人としてまっとうな生き方とはなにか」って
美意識が欠如しているのかなぁって考えこんでしまう。

ただ、こういう既成概念を覆すためにあえてそれをやっている人もいるにはいるけど、
それには俯仰不屈の鉄の信念が必要ですよ。


それをイージーに「あ、やりたいの? おやんなさいな。でも自己責任だからね」
なんて親としては言えないはずだと思うんですよね。




まぁ、わたしとしては雨宮さんが「男」なら「まぁ、そういういばらの道を進むのか」と
不本意ながらも黙認するでしょうが、雨宮さんは女でしょ?
どうしてそういう「男」の後ろ暗い本音の部分の携わる仕事に女が付かなきゃならないのか、
それが大いに疑問でしたわ。


普段、ガラスのような心を抱えて悩んでいる雨宮さんなのに、
AVの仕事に就いています、って他人に言うことには抵抗がなかったのかって
本当に不思議です。

私は、雨宮さんほどデリケートじゃないと思うけど、
仕事がAV関係っていうのは嫌だ!って思う。

なんか自らの手で、幸せを逃しているような気がしてならないんですよね。

あと、もうひとり「この人もちょっとなぁ~」と思う人が。
最近、ツィッターかなんかのネットニュースで読んだんですが、
700万かけて整形したタレントさんの話。

この人も雨宮さんと一緒で、親に勉強を強要されて、
大学まで必死になって生きてきた人。

大学になってバイトでメイドカフェで働くんですよ。
そこがね、わたしにしてみれば進む道が間違っているって思うんですよ。
だってさ、メイドカフェって、性格とかその人が持っているいいところなんて
まりっきり無視して、「いかに美しいか、いかに美しい身体をしているか」だけが
特化されて評価されるところじゃない?

そんなところで、普通の容貌をしている人が評価されるはずがない。

そこで、この人はものすごく世の中に対して、不公平感を募らせるんですよね。
で、やっぱりもてたいからキレイになろうって美容整形するんですよ。

まぁ、わたしはあんまり自分の顔に対してコンプレックスがありすぎて
一日中そのことばかり考えて前に進めないって思うくらいなら、
整形したほうがいいと思うんです。

実際にきれいな二重になって人生変わった人って多いと思うし。

ですがね、この人の場合はやりすぎなんですよ。
やりすぎて「不気味の谷」までいっちゃっているんですよね。

もっと人に気づかれない程度にすればよかったものを
ここまでくるとだれがどう見たって「整形美人」なんだなって解ってしまう。

この人は「誰かに愛されたい」と思って自分がキレイになりたいから
そうしたんだろうけど、一体誰に愛されたかったのでしょう?

不特定多数の人間のアイドルになることと
ひとりの人にきちんと愛されるってことは、似ているようで
全然違うことだと思います。

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雨宮さんにしても、このタレントさんにしても
たとえば、普通の優秀なサラリーマンが「この人と結婚したいな」とは
絶対に思ってもらえないようなところへ行ってしまっているんですよ。

モテ子になろうとして、キワモノになってしまっている。


まともな男性のだれが、AVライターや、アニメ顔の美女を
自分の母親に紹介したいと思うでしょうか?


戦略からして全く行ってはいけない方向に行ってしまっているっていうのが、
なんかとっても残念だと思うんですよね。



雨宮さんはもうすでに亡くなっておられるそうで、ことばもありません。
もし、大学生ぐらいのときにしっかりとした意見を持った大人が傍で
助言をしてあげていたなら、もっと幸せになっていたと思うのです。





幸せはもっとひっそりとしたもので、全世界に「私は今、幸せです!」と
表明しなくてもいいんですよ。


幸せは、平凡でいいんです。人から見て「平凡」と思われるようなことがら。
人口に膾炙されてきたようなことがらでも
その人にしてみれば、初めて経験することばかりでしょ?

結婚して、妊娠して、出産して、子供を育てる…。
当たり前のことですが、経験しなきゃわからないことばかりです。

そういうことに、まず気が付いてください。




自分が冴えない不美人でも、
相手の男性ももっさりした人でも
自分たちが心を通わせて、お互いのことを
思いあえたらそれでいいじゃないですか。


ふたりで見つめた空の色が美しかったり、
道で咲いている花がキレイだったりして
「きれいだね」
「そうだね」

って自分の思いを言の葉にして、
それを「そうだね」ってうなずいて笑ってくれる人が傍にいてさえくれれば―。






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