ドラマ『ハンニバル』 season1 &season2 [読書・映画感想]

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暑いときはおうちにこもってぞっとするようなドラマを見るに限る。

このドラマを見ていると、結局死霊とか妖怪とかドラキュラとかより、生きている人間のほうが
ず~っとこわいよなぁと思わさせられます。

まぁ、『ハンニバル』ってタイトルからして「ああ、羊たちの沈黙の続きかなんかなんだね」とまずピンとくると思うのです。
映画のレクター博士を演じていたアンソニー・ホプキンスもそれなりに怖いのですが、このドラマの比じゃないのですよ。
もう、毎回、毎回「よくもまぁ、こんなグロい殺し方考えられるよなぁ」とグロさにも慣れ、ひたすら感心していました。

マッツ・ミケルセンが演じるレクター博士っていうのは、アンソニー・ホプキンスが演じるのとはまた性格の違う感じかなぁ。どっちも独特の美意識とか美学があって、自分に無礼にふるまうやつは容赦なく食べられてしまうところは、おんなじなんだけど。
マッツはあの独特の風貌ですからねぇ。まぁ風貌もそうなんだけど、あの人は今更ながらだけど、スタイルめっちゃいいわ。診察室で何気なく組んだ脚の線がきれいすぎてみとれるもんねぇ。

すんごいおしゃれなキッチンですごい凝ったお料理を作っているシーンも思わず「もしかしてこの肉って…」と鳥肌が立つんですよね。

それでも、残酷なシーンを含めてものすごくスタイリッシュな画像はとっても評価できます。
全体にブルーを基調としたクールな画面。
たしかにやってることはものすごくグロいのだけれど、それを含めて美しく撮ろうとしているクルーの方の意気込みというのを感じました。

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さてお話というのは、原作を元にして新たな創作を加えられている二次創作のようなものかしら。

このドラマでは、『羊たちの沈黙』の主人公ともいえるクラリスの代わりに、
レッド・ドラゴンに出て来るウィル・グレアムが、クラリス的な要素を含んだ人物として描かれています。

ウィルっていうのは、もともと自閉症スペクトラムが引っかかって、FBIの捜査官にはなれなかったのですが、かれには不思議な共感能力っていうのがあって、殺人の現場を見ると、殺人者がどのような気持ちでこのような犯罪を犯したのかが理解できるという、一種のエスパーのような能力を持っているのですね。

ですが、レクター博士が犯した殺人なら、容赦ないサイコパスの心理に共感することにより、ウイルはそれによってだんだんと心が疲弊していくのです。

それなのにあんぽんたんのFBIはウィルのためにセラピストを用意させるのがですが、されがなんと
レクター博士。

あ~、ウィル可哀想~。

シーズン1は、8人の残酷な殺人事件が起こって、それの模倣犯が出て来たってところから話が始まるのですが、それがなかなか全体を把握するのに時間がかかるし、8人を女子学生を殺害した男のプロファイルも説明されないから、ものすごく唐突感があって、「これって面白いのかな~」って感じで見ていたのですが、シーズン2になるともう駄目ですね。先を見ずにはいられない!

そして、クラリスの心を支配したように、ハンニバルはウィルの心を支配するようになるのです。
そして、二人の間には一種の友情のような温かい絆が生まれたのかとすら思えるのだけれど、
それをすべて裏切って、ひとり逃れていくレクター博士。

さすがですわ。サイコパスには友情はいらない。サイコパスは人に共感しない。
そして親しくしていた人間を殺すこともためらわない。

トマス・ハリスの『ハンニバル』に出てくるようなけったくそ悪い関係は、ここでは覆されています。あくまで残酷な殺人者に徹するハンニバル。

シーズン2はここで終了。

さて、シーズン3はおそらく妹のミーシャとのからみの部分なのかなとは思うのですが、サイコパスは小さい頃のトラウマが原因でサイコパスになるわけじゃない。サイコパスははじめからサイコパスです。

どんな展開になるのか楽しみですねぇ。

ここ最近みたドラマの中ではピカイチの出来だと思います。
まぁ、グロいのさえ、我慢できるようなら、ウィルとハンニバルのお互いの裏の裏までを読んだ心理戦に浸るのも一興かと…。



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